カエルは帰る

2012.10.18.Thu
2012年10月18日

海月ゆく思いのままに無一物     コウコ
(くらげ)

 うちのヒキガエルとまだ絆が出来ていない頃、
 半年以上も姿を見せないことがありました。
 その頃、カエルが轢かれていたのを見たと
 何人かが知らせてくれました。
 悲嘆にくれていたある日、
 巣穴を覗くとヒキガエルが帰っているではありませんか!
 嬉しくてご近所にふれ回ったほどです。

 そんなヒキガエルを観ていて、ふと芭蕉さんのことを想いました。
 蛙といえば有名な一句<ふる池や蛙飛びこむ水の音>があります。
 「江東区芭蕉記念館」には芭蕉遺愛の石が展示され、
 「芭蕉稲荷神社」には蛙の置物がいくつもあります。
芭蕉遺愛の石
  
芭蕉像
     江東区芭蕉記念館発行 ポストカード
     芭蕉遺愛の蛙(伝)、天保6年(1835)加藤宗清作芭蕉像


 その当時、蛙の句は<鳴き声>を詠むのが一般的で、
 蛙が飛びこむ<水の音>を詠んだ独創性は世間を驚かせました。
 芭蕉さんがモットーとする「不易流行」の
 先駆けの一句だったのです。
 
 生涯は<芭蕉庵>と<旅>との繰り返しでした。
 「おくのほそ道」では<古人も多く旅に死せるあり>と語り、
 尊敬する西行も李白も杜甫も旅先で亡くなりました。
 おなじ詩人の芭蕉さんにとって客死は美学でした。
 しかし当時の旅は、とても困難で命がけでしたから、
 門人たちは無事に帰ることを、どんなに祈ったことでしょう。
 
 蛙の習性を観ていると、周期的に数日から数週間
 巣穴を留守にしますが、必ず帰ってくるので
 縁起のいい生き物なのでしょう。
 <蛙は帰る>まさに実感です!
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