「貴婦人と一角獣展」

2013.06.26.Wed
2013年6月26日

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貴婦人と一角獣展 (フランス国立クリュニー中世美術館所蔵)
会期:2013年4月24日(水)~7月15日(月・祝)
会場:国立新美術館(東京・六本木)


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国立新美術館  
2007年(平成19年)2月開館
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延床面積(47,960㎡)は日本最大で、コレクションは持たず
「ナショナルアートセンター・トウキョウ」と称しています。
「日展」その他中小の公募展や「貴婦人と一角獣展」等の企画展をする
ギャラリーです。
地上32.5m (地下1F、地上4Fの5層)  設計者:黒川紀章

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4層吹き抜けのエントランスにある「カフェ」


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「貴婦人と一角獣」のタピスリー

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会場に入ると、まずタピスリー(羊毛と絹糸のつづれ織)の大きさに
驚かされました。
6面一組の連作は全長22mで、丈は4m近くもあります。
中世ヨーロッパの至宝であり最高峰とされるタピスリーは、500年
を経た現在でも色鮮やかで美しく、すっかり目を奪われてしまいました。

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  タピスリーに三日月の紋章が描かれていることから
  「ル・ヴィスト 家」の当主になったアントワーヌ2世が
  結婚の記念として工房に発注したと考えられています。

貴婦人の華麗なドレスにある襞やシースルーの袖、宝飾品などの
繊細な表現の織物に、観ればみるほど深い感動を覚えます。
当時これだけの工芸品を製作する工房があり、タピスリーを手掛ける
芸術家や職人の高度な技術に思いを馳せました。


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西暦1,500年頃の制作とされているタピスリーは、フランスの
中世に建てた「ブサック城」の壁に掛けてあったのを、19世紀
半ばに発見されました。

城主と知り合いだったジョルジュ・サンドがこの古城を舞台に小説
「ジャンヌ」を書き、作中で「貴婦人と一角獣」のタピスリーを
称賛したことで世の中に知れ渡るようになりました。

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ブサック城        ジョルジュ・サンド(1804~1876)


6面のタピスリーは、1面ごとに貴婦人と一角獣の仕草が描かれています。
背景は14、15世紀に大流行した千花模様(ミル・フルール)です。
中世の都市は自然に恵まれていたようです。
ナデシコ、スミレ、スズラン等40種類の植物。サギ、ハヤブサ、
キジ等の野鳥。キツネ、コヒツジ、ヤギ等の動物が描かれています。
中でも邸宅で飼われている猿や犬が目を引きます。ウサギの数が断トツに
多いのは、多産で繁栄のイメージがあるからでしょうか。
タピスリーの連作は<触覚><味覚><嗅覚><聴覚><視覚>
<我が唯一の望み>の6面構成で、人間が世界を知るための感覚を
表現したものです。
中世ヨーロッパの人達は五感について、一番低いとされる触覚から
聖書を読むための高い視覚まで、それぞれ順位をつけていました。

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<触覚> 378×358cm 1面

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貴婦人が一角獣の角に触れ、触覚を表現しています。
額の中央に1本の角が生えた一角獣は伝説の動物で、古代ローマから
どう猛で足が速く清らかな乙女には従順でした。しかし関わった乙女
が純潔ではなかったと知ると八つ裂きにして殺してしまったそうです。
中世では女性の純潔が、愛と結婚の絶対条件だったのかもしれません。

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<味覚> 377×466cm 2面

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貴婦人はオウムに砂糖菓子を与え、猿は口に果物を運び、味覚を
表現しています。

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 2面には、貴婦人の背後につるバラ(淡紅色)の
 生垣があって親しみを覚えます。

 ヨーロッパには木立性のバラがありましたが、
 つるバラがアジアから渡ったのはルネサンスでした。
 流行のつるバラを植えた庭園をタピスリーで見ること
 が出来ました。


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<嗅覚> 368×322cm 3面

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貴婦人はナデシコの花冠を編み、後ろの猿はバラの香を嗅ぎ、嗅覚を
表現しています。
香りの代表としてバラを描いていますが、バラはいつの世も香りの
女王だったことが窺われます。

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<聴覚> 369×290cm 4面

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侍女がフイゴで空気を送り、貴婦人がオルガンを演奏して聴覚を表現
しています。

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<視覚> 312×330cm 5面

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右手の鏡に一角獣を映して視覚を表現しています。

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<我が唯一の望み> 377×473cm 6面

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この6面には鮮やかな青いテントがあり唯一、文字が書かれていました。
男性から女性に向けた愛の言葉である「我が唯一の望み」
それ以外は何もいらないと云う意味だそうです。

これを観た時、5面まで身に着けていたネックレスを小箱に仕舞う
仕草にハッとしました。
咄嗟に浮かんだのは観音像と如来像でした。
観音像はネックレスやブレスレットの装飾品を身に付け、出家前の
釈迦の姿を表しています。
如来像は悟りを開いた釈迦で、装飾品は一切身に付けていません。
6面には、五感を超越したスピリチュアルな貴婦人を感じました。

5面までは解釈済みだそうですが、この6面の謎は完全には解かれ
ていないそうです。
多くの芸術家のインスピレーションを刺激した「貴婦人と一角獣」の
日本公開は、これが最初で最後になるかもしれません。

タピスリーを通し、華やかな美しい中世に遊んだひと時は夢のよう
でした。 惜しみながら会場を後にして「貴婦人と一角獣」を
モチーフにした 作品に触れてみたくなりました。


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地下鉄大江戸線へ向かうまでの地下通路

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オブジェで遊ぶ子どもたち      動く歩道
待ち合わせの大人たち

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コメント

2013-06-28.Fri 17:04
ーぱふぱふさんー

実はかなり割愛したので不安でしたが、ご理解を頂き感謝いたします。
西洋の美術はキリスト教が関わっているので、教義を知らずにどこまで
理解出来るのかと戸惑ってしまいます。
しかし観て美しいとか、自分なりに何か感じるものがあったら
それで良いのではないかと、この頃思うようになりました。
最後までご覧いただき、励まして頂きまして有難うございます。
URL|コウコ #-[ 編集]

2013-06-28.Fri 10:16
解説書よりも詳しくて・・
絵を見てなるほどって思いますね・・
芸術に詳しくて幅が広くて~~
益々尊敬してしまいます
ただただ感動です
URL|ぱふぱふ #-[ 編集]

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