飛べないオオハクチョウ

2017.04.20.Thu
2017年4月20日

館林(群馬県)の城沼で越冬を終えた白鳥は他所で越冬した白鳥たちと
北海道の湖沼に集まり、4月下旬にはシベリアの繫殖地に渡るそうです。
この先、まだ数千キロの旅が続きます。

DSC_4798s.jpg

城沼にはオオハクチョウ1羽とコブハクチョウ数羽が残っていました。
3月下旬に、地元で出会った三人の方から残っている1羽のオオハク
チョウの事情をお聞きしました。それぞれのお話を綴ると居残る理由
には、ある悲しい事情がありました。
当年10数歳の個体で、2004年頃に城沼に越冬した時は幼鳥でした。




DSC_4766s.jpg

城沼のオオハクチョウたちは日中8キロ先の多々良沼で過ごしています。
この個体は幼鳥で飛来した年に、多々良沼で片翼に大怪我を負ったそう
です。それ以来飛べず、10年以上も居残りを余儀なくされたのでした。




DSC_4787s.jpg

北帰行が始まると、次々にオオハクチョウたちが城沼を去って行きます。
オオハクチョウの家族も高く舞い上がり、残された個体は渾身の力を振
り絞り、飛べない翼をバタバタさせて泣き叫び続けたそうです。




DSC_4795s.jpg

すると、オオハクチョウたちは残された個体に別れを惜しむかのように
上空を何度も旋回して飛び去って行ったのでした。家族との切実な別れ
をお聞きして、オオハクチョウの家族の情愛に目頭が熱くなりました。
悲しい事情があった個体ですが、穏やかな表情を見るとほっとします。


                *


地元の方に温かく見守られ、人に慣れているので近づいても逃げません。

DSC_4871s.jpg





DSCN0810s.jpg

こちらのコブハクチョウは野生で、数羽が城沼に居ついているそうです。




DSCN2418s.jpg


残されたオオハクチョウは淋しいのでしょうか、コブハクチョウの近く
に寄り添って寛いでいます。仲の良い彼らの光景には心が和みました。


DSCN2417s.jpg



               ***


3月下旬、カモ類では最後に帰るというコガモたちの姿がありました。

DSCN1680s.jpg

昼寝中でも目を細めて警戒を怠りません。




DSC_4810s.jpg


オオバンは何処でも数を増していますが城沼にも多く見られます。


DSCN1664s.jpg





DSC_4746s.jpg

一方、数が少ないのがバンです。




DSCN1827s.jpg

アオサギとカワウの睨めっこ?




DSC_4755s.jpg

カンムリカイツブリ(冬鳥)を1羽見かけました。




DSCN0851s.jpg


パチパチという音に振り向くと、シジュウカラが葦の皮を音立てて
剥き、中の昆虫を捕えて食事中でした。羽色が綺麗です。


DSCN1783s.jpg





DSC_4910s.jpg

木陰でアトリ(冬鳥)が食事中です。飛来数が多く当たり年でした。




DSC_4882s.jpg


3月中旬にアオサギの巣を見掛けましたが、下旬にはカラスも巣材の
枝集めに精を出していました。今頃は卵を抱いているでしょうか。


DSC_4880s.jpg



                *


帰りに、城沼から8キロ先に位置する多々良沼を覗きましたが閑散とし
ていました。佇んでいると白鳥たちの在りし日の生き生きとした光景
が甦って来ます。

DSCN2444s.jpg

館林の城沼を塒とし、日中は多々良沼で過ごすという白鳥でした。
北海道の湖沼に結集した白鳥は、4月下旬にシベリアの繁殖地へと向か
います。来季に幼鳥を連れた白鳥たちとの再会が楽しみですが、1羽で
居残るオオハクチョウこそ、思いは一層深いことでしょう。


ご覧下さり有り難うございました。
スポンサーサイト

トラックバック