彼岸花の咲く頃

2016.09.30.Fri
2016年9月30日

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葛西臨海公園ではあちこちで彼岸花(曼珠沙華)に出合います。




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赤、黄、白の鮮やかな彼岸花の植え込み。


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秋のお彼岸の頃に咲くので、彼岸花と名付けられたと言われています。
彼岸花が開花し始めると、いよいよ秋の旅鳥が渡来するのではないか
とワクワクします。


              ***


秋の渡りは、夏に北の国で繁殖した鳥たちが南の国に渡り越冬します。

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エゾビタキ(蝦夷鶲・全長15cm、旅鳥)が昆虫を捕食しては
お気に入りの枝に戻ることを繰り返していました。


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キビタキの雌(黄鶲・延長13~14cm、旅鳥)
雄はチラと姿を見せただけで、林の奥に引っ込んでしまいました。




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後日、同じ場所で待望の雄に出合いました。林の中をすばしっこく動き
回るキビタキを追いながら、やっと初撮りが叶った雄でした。


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キビタキは夏鳥として山間部で繁殖し、秋の渡りの時期になると平地
に下り、冬は南の国へ渡って越冬します。


                *



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モズ(鵙・全長19~20cm、留鳥又は漂鳥)公園で甲高い高鳴きを
耳にすると秋が巡ってきたと実感します。モズは一望できる高い木
の梢が好きです。(ウォッチングセンター2Fにて)




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         目を通る筋状の過眼線が黒くて太い雄。




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東なぎさでは留鳥のアオサギやカワウの中に、足がピンク色の冬鳥
セグロカモメ(又はオオセグロカモメ)が渡来していました。


               ***


9月は台風と秋雨による天候不順で晴れた日は僅かでした。
梅雨を思わせるような日々の中、晴れ間に出合った珍しい茸です。

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ホウキタケの仲間でしょうか、純白でした。


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メルヘンの小径を想わせるような可愛いピンク色の茸の登場です。


               ***


9月の水鳥は親と一緒の幼鳥もいれば、独り立ちした若鳥も見かけます。

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ササゴイ(笹五位・全長40~52cm、夏鳥)
夏鳥として渡来して繁殖した今年生まれの若鳥です。




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ヨシゴイ(葦五位・全長31~38cm、夏鳥)
名前の由来は葦原に生息するからだそうで、まさに葦の茎の
間で捕食のチャンスを狙っていました。




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上の池の杭に止まったゴイサギ(五位鷺・全長58~65cm、留鳥)の
親子。幼鳥は黄褐色の斑点を星に見立て、ホシゴイの別名があります。


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擬岩の観察窓ではバン(鷭・体長35cm、夏鳥又は留鳥)の成鳥を
何度か見ましたが親子連れは初見でした。


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上の池では今年、一組のカイツブリ夫婦が4回も抱卵をしてバード
ウォッチャーを驚かせました。雛の頭や首には縞模様がありましたが
無事に成長した右の幼鳥(嘴が黄色)を見ることが出来ました。

彼岸花の咲く9月は秋の渡りの旅鳥が渡来し始め、モズが高鳴きし
今年生まれの幼鳥たちの成長ぶりを見ることが出来ました。


ご覧下さり有り難うございました。
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ウミネコ&コサギの捕食

2016.09.23.Fri
  2016年9月23日

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対岸に葛西臨海公園(江戸川区)の大観覧車が見える荒川河口にやって
来ました。




潮が引くと水鳥が捕食に集まって来ます。

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舞い降りたウミネコは早速の餌探しです。浜に打ち上がられた魚を啄む
姿をよく目にしますが、食性は雑食でこの辺りではカニを食べています。


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ウミネコは脚が黄色で、嘴の先が赤くて黒い斑文が入っています。
(海猫・全長44-48cm、留鳥又は漂鳥)


                *


今秋、初見のセグロカモメがいました。

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北の国から越冬のために日本に渡来した冬鳥です。
ピンク色の脚で、嘴の下には赤い斑点があります。
(背黒鷗・全長約60cm、冬鳥)




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                *



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イソシギは白い胸が肩まで食い込んでいるので分かり易いシギです。
(磯鷸・全長20cm、留鳥)





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このアオサギは上嘴が灰色なので若鳥ですが、食後なのでしょうか
ジッとしたまま寛いでいる様子です。
(青鷺・全長88-98cm、留鳥又は漂鳥)

水鳥の特徴を知ってくると、出合うたびに親しみが増してきました。


               ***



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元気で勢いがよいコサギが次々と舞い降りて来ました。
(小鷺・全長60cm、留鳥)




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即、餌探しです。




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競争心が強いのでしょうか?
並行して行動をするシーンをよく見かけます。




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ここでは3羽が出くわしましたが、早速バトルが始まりました。
餌場を巡って競い、一方が餌を捕ればもう一方が追い回して奪おうと
するコサギたちです。




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マイペースの1羽を追ってみました。真剣な表情です。


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なんと大きなボラを捕えて、見るからに誇らしげです。




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「うぁー凄い!」若鳥のアオサギが感嘆の声?を上げました。




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イソシギもチラリと見ています。




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捕えられたボラは盛んに尾鰭を振って抵抗していますが、遂に頭から呑み
込まれてしまいました。


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水鳥が大きな獲物をゲットした時は、共に喜びながらシャッターを
切っている私です。




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      お腹を満たしたコサギは元気に飛んで行きました。




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秋の旅鳥

2016.09.18.Sun
2016年9月18日

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三番瀬(千葉県船橋市)の東堤防へ向かう途中、群生の白い花を
見かけました。




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三番瀬では野鳥の他に海浜植物を観る楽しみがあります。
十字形の白花はセンニンソウ(仙人草)で花弁に見えるのは萼片でした。




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双眼鏡を覗いていた夫が、船橋方面1,000m先にミヤコドリが数十羽
いると言うのでカメラを向けてみました。




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嘴が赤く、上面が黒で腹部が白いミヤコドリ(都鳥)を辛うじて捉える
ことが出来ました。

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               ***


満潮で干潟がないために水鳥の姿は見当たりませんが、東堤防近くの
砂浜にシギたちが集まっていました。

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手前がキョウジョシギの親、後ろの幼鳥は初見・初撮りです。
(京女鷸・体長24cm・旅鳥)




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親は子どもたちを連れて渚に誘い出しました。親鳥の号令に幼鳥も
一生懸命について行きます。




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次は海岸の漂着物の中に分け入っての採餌です。何を食べているのか
見届けることは出来ませんでした。




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キョウジョシギのグループが揃って波打ち際に出て来ました。




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キョウジョシギの手前にトウネンが加わっています。
(当年・体長14~15cm・旅鳥)




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寛いでいる時は嘴を閉じているトウネンですが、餌探しは終始嘴を開けて
いました。

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食事の合間のストレッチや羽繕いにも余念がありません。


               ***


東堤防で観察して引き揚げる途中、やや遠方ですがシギ・チドリの
大群を見かけました。

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ミユビシギでしょうか、一斉に左右に走り出す集団行動が観られます。
渚のランナーと呼ばれているそうです。
(三趾鷸・体長19cm・旅鳥)

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何かの拍子に挙って飛び立ち、旋回して渚に戻って来ました。

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               ***


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ようやく現れ始めた干潟では、いの一番にウミネコやって来ました。
真ん中の茶褐色は幼鳥です。



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こちらの5羽は人がジャブジャブ近付いて来たので驚き、飛び立って
行きました。




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遠方にポッンと部分的に浅瀬が現れると、ウミネコの背後にはシギ
チドリのオールスターが羽を休めています。


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旅鳥のシギ・チドリは、秋には繁殖地の北のシベリアから越冬地の南の
オーストラリアへ渡り、春は南から北へ渡ります。渡りの途中に日本に
立ち寄り休養と栄養補給をします。

立ち寄る期間が限られている事もありますが、雌雄の違い、成鳥と幼鳥
夏羽と冬羽そして換羽中もありで、駆け出しの私には見分け難く今後の
課題となりました。


ご覧下さり有り難うございました。

珍しい水鳥

2016.09.13.Tue
2016年9月13日

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葛西臨海公園(江戸川区)から渚橋へ向かっていると、視界にふわりと
飛行船が現れました。



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MetLife(メットライフ生命)のスヌーピー号が渚橋上空をゆったり
ゆったり横切って行きます。




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渚橋を渡って葛西海浜公園にやって来ました。東なぎさに望遠カメラを
向けると何時も通りのカワウとウミネコの大群です。
写真はほんの一部分なので1000羽近くはいると思われます。




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東なぎさは遠過ぎるので撮影は諦め、今回も手前の水路に近い所で観察
しました。満潮で水鳥はあまり見かけませんが、残った干潟には30羽
ほどのウミネコが羽を休めています。




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よく見るとウミネコ(全長44-48㎝)の中に、アジサシに似た大きな
1羽の水鳥が紛れているではありませんか。初見・初撮りです。




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頭上が黒く、太くて長めの赤い嘴、そして黒い足などからオニアジサシ
でしょうか。(「日本の野鳥550 水辺の鳥」 文一総合出版)
ちらっと見せた舌も赤いです。
ウィキペディアによると、日本ではまれな旅鳥または冬鳥として単独で
の飛来が多く、観察されたアジサシ類では最大の種だそうです。
(鬼鰺刺・全長48-56㎝)




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何か気になるらしく空を眺めていますが、トビが時々旋回していました。




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アオサギもよく飛翔しています。




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同じ地点から望遠でズームすると、カワウに混じってトビとアオサギが
いました。




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足元の下を見ると、至近距離にカワウが1羽やって来てうずくまって
いましたが、ようやく立ち上がると足環が両足に装着されていました。




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個体識別用では黄色に黒でEB5とあり、調べたところ行徳鳥獣保護区
(千葉県市川市)で標識したものでした。
金属リングは環境省の鳥類標識調査用です。




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トビ、アオサギ、そしてカワウに気を取られていると、オニアジサシ
が活発に動き始めていました。




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海面に頭を突っ込んで水浴びをしています。




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波打ち際に移動すると翼のストレッチでしょうか。




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翼開帳は約140㎝だそうですから、眼前で観るアジサシ類では
最もダイナミックです。


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干潟で見せた羽繕いではオニアジサシ(鬼鰺刺)の名前から程遠いい
可愛らしい眼を見せてくれました。




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ウミネコの右足の先が切断されています。傍らのオニアジサシが心配
そうな様子です。このようなウミネコは葛西海浜公園で時々見まかけ
ました。電線や釣糸による事故や他の動物に襲われたのでしょうか。
対策もいろいろと始められているようですが、釣り人の心無い少数者
が、まず釣糸を捨てることを止めなければなりません。


                *


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帰りがけに海のお掃除屋さんと呼ばれるウミネコが、打ち上げられた
大魚を啄んでいました。




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ご覧下さり有り難うございました。

水浴び&砂浴び

2016.09.09.Fri
2016年9月8日

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派手に飛沫を上げている水鳥にカメラを向けると、水浴びのほんの一瞬
カメラ目線で貌を見せたのはキアシシギでした。
(黄足鴫・旅鳥・全長25cm)


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水浴びは体温を冷まし、ダニや寄生虫などの羽の汚れを落とすそうです。




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約1分間の水浴びを念入りに済ませるとサッパリした表情です。


                *


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「次は私の番よ」とばかりに、隣のコチドリも水浴びを始めました。




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キアシシギのように豪快ではなく、この時は軽い水浴びです。




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終了後は「ピュー」と鳴き、ジャンプして移動。


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黄色いアイリングが特徴でチドリ類では最小のコチドリです。
(小千鳥・夏鳥・全長16cm)


               ***


水鳥は水浴び専門ですが、スズメの水浴びと砂浴びはよく目にします。

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よ~いドンで目を瞑り、砂を羽の間に入れてダニや寄生虫の汚れを
落としていました。


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砂浴びを済ますとスズメもサッパリした様子でしたが、カメラが
気になったかもしれません。



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穴から出ると羽を思い切り伸ばしていました。




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スズメは3羽ですが、きちんと順番を待っている様子には感心しました。
他に浅い穴があっても、使い慣れた深めの穴がお気に入りのようです。

キアシシギとコチドリの水浴び、そしてスズメの砂浴びはそれぞれが
1分程度でした。野鳥は想像以上に清潔で、それも健康維持のために
は必須のケアでした。



ご覧下さり有り難うございました。

鹿野山の句碑

2016.09.04.Sun

  2016年9月4日

カメラを始めてようやく撮れたハンミョウです。人が近づくと前へ
飛び、近づくとまた飛ぶという素振りから、道おしえといいます。

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緑色の金属光沢があり、ビロードの凝った翅模様と脚が美しい昆虫です。
(斑猫・体長20mm)




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鹿野山を下りる途中、芭蕉句碑への矢印が目に入りました。
矢印に従い脇道を1kmほど入って行きます。




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芭蕉句碑は何処?と周囲を見渡して歩いていると、なんと道おしえが
先陣を切っているではありませんか。


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句碑を探すことより、暫くはハンミョウに夢中になっていました。




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カラフルな体色に加え、食肉獣に似た鋭い牙があります。


                *


ハンミョウを撮り終え、ふと振り返ると芭蕉句碑の立て札がありま
した。しかし肝心な句碑は竹林の周囲がネットで張られ、見ること
が出来ません。

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立て札の説明では鹿野山付近に芭蕉句碑が7基あり、芭蕉の系列を引く
地元の俳諧社中が芭蕉に習い、向上を願って建立したそうです。

   枯れ芝やまた陽炎の一二寸    芭蕉

「笈の小文」には「枯芝やや々かけろふの一二寸」とあります。
「加藤楸邨 芭蕉全句 ㊥」によると「芝はまだ枯れて冬の姿のままで
あるがその上にすでに陽炎がちらちらもえはじめて、ようやく春の気配
が動き出していることよ」とあり、当時この句のような自然の生かし方
は新鮮な句風であったそうです。

近年は君津でも狸が増え、農地を荒らす被害が出ています。ここでも狸
が竹の子を食い荒らすのでネットを張ったのかもしれません。

                *

竹林に入れなかった代わりに珍しい光景を目にすることが出来ました。

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日射しが傾きかけた時、多くの蜘蛛の巣が現れました。




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7色に輝く囲の中で獲物を待ちつづける蜘蛛です。


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               ***



鹿野山には芭蕉句碑の他、神野寺境内にも多くの俳人の句碑があります。

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この庭は中央の立て札の説明によろと「江戸城の庭を模して築庭されて
おり樹齢、数百年をこえる植林が歴史を感じさせます(江戸時代)」と
ありました。




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庭の正面中央には高浜虚子の歯塚があり、句が刻まれていました。

   明易や花鳥諷詠南無阿弥陀   虚子


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「明易」は短い夏の夜です。
「花鳥諷詠」は人間の営みを含めた森羅万象を詠むことだそうです。
人生もまた明け易く、花鳥諷詠南無阿弥陀のフレーズには祈りを感じ
ました。立て札には神野寺で詠まれたとあり、名句の現場に立つこと
ができて感動も一入でした。




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最後までご覧下さり有り難うございました。