曼珠沙華

2014.09.26.Fri
2014年9月26日

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彼岸花の名があり、秋彼岸のころに見かける曼珠沙華。
梵語で赤い花、法華経では天上の花を意味するそうです。

花弁が反り返り、蕊が外に突き出ている曼珠沙華。


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美しい曼珠沙華の色鮮やかな赤と長い蕊。


  
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道端、畦道、堤など、不意に花茎を伸ばして咲きますが、墓地でも見かけ
ます。そのため死人花とも呼ばれ、不吉なイメージもあるようです。

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秋彼岸を象徴する彼岸花は、静寂な墓地に点在して墓参の目を引きます。

婆の手を引くも婆なり 秋彼岸      コウコ


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碑には「獣燈」の文字。しかしこれは「獻燈」すなわち「献灯」でした。
墓地で見かけた、献灯と彼岸花の献花。


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赤い花は情熱のイメージが濃く、曼珠沙華の花言葉の一つに「情熱」が
あります。また余りにも赤が美しいだけに、艶めかしい妖気さえ漂うこ
とがあります。

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道行の闇のかたへに曼珠沙華      コウコ

人形浄瑠璃の「曽根崎心中」の場面に曼珠沙華が重なりました。
相愛の男女が死に場所を求めてさ迷う、丑三つ時の死の道行です。

死ぬ覚悟で恋を成就させたお初と徳兵衛。
私が初めて観た人形浄瑠璃は「曽根崎心中」で、吉田玉男の徳兵衛と
蓑助のお初の舞台は、生涯忘れられない感動でした。


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江戸城の栄華は遥か 曼珠沙華      コウコ



   
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赤に倦み白く咲きたる曼珠沙華      コウコ



  
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曼珠沙華にやって来たのは緑のバッタ。


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曼珠沙華には、やはり揚羽蝶が似合うようです。



しばらく揚羽蝶を眺めていたら、2匹の乱舞が始まりました。
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恋の乱舞かテリトリー争いか、思わず連写です。

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水辺には、全身が黒で腹部が白い、コシアキトンボ(腰空蜻蛉)が
忙しそうに飛び回っていました。

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秋彼岸を境にして、急に秋が深まってゆきます。
帰り道、金狗尾草(キンエノコログサ)の穂が輝き、秋晴れの一日でした。

ご覧下さり有難うございました。 
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「皇居東御苑」

2014.09.17.Wed
2014年9月17日

皇居東御苑には、歴史に触れられるスポットが何か所もあります。
今回は平川門、松の廊下跡、天守台を散歩したいと思います。

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平川門は江戸城の裏門で大奥女中の通用門でしたが、不浄門とも言われ
城内の罪人や遺体がここから出されました。

世に言う「絵島生島事件」では絵島が芝居見物をして門限に遅れたこと
により処罰を受け、罪人として不浄門から追放されたのでした。
事件の真相は大奥の権力争いにあり、絵島は大奥大改革の矢面に立たさ
れた犠牲者とされています。

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東御苑から見た渡櫓門(第一の門)
平川門は城門形式が残る唯一の門で、次に高麗門(第二の門)更に木橋が
あります。



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渡櫓門の隣にある小さな不浄門



霜真白絵島出されし不浄門      コウコ

これは以前詠んだ拙句ですが「俳句研究」(俳句雑誌・富士見書房)
に掲載された際に、俳人の倉橋羊村先生が書かれた文章があります
のでご紹介いたします。

大奥女中絵島の不祥事が露見して、江戸城の不浄門から、ひそかに追放
される場面だ。「霜真白」が﨟たけた美女の白く面伏せた緊張の表情を、
暗示する。闇夜ながら、いちめんに霜も降りていただろう。人眼を憚る
処置の気配もうかがわれる。



               ☆


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平川門にいた愁い顔の野良猫
絵島の愛猫もこんな感じだったかも・・・



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ハギノハナ


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ヌスビトハギ


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もう一人、不浄門から城外に」出されたのは、殿中で刃傷沙汰を起こした
浅野内匠頭でした。

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松の廊下跡

緑陰や ひっそり松の廊下跡      コウコ



石碑がなければ分からない木立の下に「忠臣蔵」発祥の地がありました。
殿中での刃傷はご法度であり、上野介は軽傷でしたが、浅野内匠頭は
その日のうちに切腹となりました。


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ヤブショウガ

  
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旧江戸城の天守台



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石垣を見上げた先は、かつて天守閣が聳え立っていました。
国会議事堂の高さがあったと言われています。



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現在は芝生の広場になっている本丸の跡。

丸の内のビル群の辺りは、むかし江戸湾の海が一望できたことでしょう。
江戸城をラウンドマークにした渡り鳥たちは、日本で越冬するために
この秋にも、はるばる北国からやって来ます。東御苑とお濠の冬鳥を
是非見たいものです。

石垣の天守閣跡 鳥渡る      コウコ



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メヒシバとエノコログサ(猫じゃらし)


晩学の一眼レフや 秋日和      コウコ


ご覧下さり有難うございました。

お濠の白鳥 (皇居東御苑)

2014.09.12.Fri
2014年9月12日

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大手門に向って左側の桔梗濠に、白鳥(コブハクチョウ)を見つけました。
餌場らしい台には鵜がいて、白鳥は木陰で休んでいました。




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右の鵜の足元には固形の餌のような物が見えるので、やはり此処は
餌場なのでしょう。 




お濠の水面をよく観ると、多くの鯉に混じってテカテカした甲羅の
スッポンが泳いでいます。
時間を変えて改めて餌場を観ると、鵜の前にスッポンとアカミミガメ
が甲羅干しをしていました。
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(左)アカミミガメ    (右)スッポン



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お濠の白鳥は昭和28年(1953年)にドイツのハーゲンベック動物園
から贈られた24羽の子孫たちです。数はめっきり減ってしまいました。


               ☆



白鳥は、越冬のためにシベリア方面から日本にやって来る渡り鳥
ですが、お濠の白鳥は飼育されているので何時でも見られます。


日本には白鳥神話や白鳥伝説が数多くあり、なかでも古事記に登場する
ヤマトタケルノミコトは東征の帰りに亡くなり、魂は白鳥になって大和
へと飛び翔ったのでした。



昭和天皇が崩御されたとき、俳人が詠んだ名句があります。

八雲わけ大白鳥の行方かな      沢木 欣一




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人に慣れていている白鳥なので、間近で観ることが出来ます。
白鳥と目が合ったような、そして「何かありまして?」と問いかけ
られたような気分になりました。




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白鳥の首しなやかに羽繕い      コウコ 




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皇居正門の眼鏡橋は石造りのアーチで、照明灯などモダンです。




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帰り際に、白鳥が「また会いましよう」と眼鏡橋に姿を見せてくれました。

ご覧下さり有難うございました。 
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「和田倉濠&和田倉噴水公園」

2014.09.09.Tue
2014年9月9日

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地下鉄大手町で下車して地上に出ると、超高層ビル群のビジネス街です。



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和田倉橋に差し掛かると、濠で遊ぶ2羽のコブハクチョウを目にしました。
飼育されている白鳥を、東京のど真ん中で目にするのは珍しいことです。
行き交う人々は立ち止まり、しばらく眺めていました。
この和田倉濠は、皇居東御苑の大手門へ向かう途中にあります。



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全身真っ白で全長152cmのコブハクチョウ。名前の由来はオレンジ色
の嘴の付け根の上に、黒いコブがあるからだそうです。



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城郭の面影を残す石垣のそばを泳ぐ、優雅な姿。



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建物が映り込む水面を滑るようにゆく2羽。



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ぴったりと寄り添う姿は、番のように見えます。



               ***



和田倉噴水公園は昼時になると、首から名礼を下げた人たちが
集まって来ました。
公園の空と水辺に華を咲かす噴水には、誰しもが癒されます。


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噴水の木立の後ろにあるのは東京パレスホテル。
噴水の演出は時間ごとに区切られ、噴水が急に力を抜くと
ひとまず終了です。



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長さ数10mに及ぶ落水の設備です。裏に回ると透明な膜状の噴水
からミストが湧き、シャッターを切ると、即、引き揚げるほどでした。



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貝の形のモニュメントから噴き出す水。



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広場を挟んで3基の噴水が駆け上がりました。樹氷に見立てた噴水は
暑い夏のひと時、眺めるだけで涼しげです。



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中央の噴水はダイナミックで、飛沫を上げながら勢いよく落下して
水面を叩きつけていました。



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水の表情を見ていると、身も心も微妙に反応していました。



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噴水のてっぺん侏儒のトランポリン      コウコ


水の惑星に生まれた人間の体の半分以上は水です。
 
「体の中の自然が、体の外の自然を求める」と言った人がいました。

和田倉公園はビジネス街のオアシスです。


ご覧くださり有難うございました。