「水彩都市・江東区」

2013.08.31.Sat
2013年8月31日

東京の東部にある江東区は、東に荒川、西に隅田川、南に東京湾
があり、区内には運河が縦横に流れています。

この夏の思い出は、水辺で催された灯篭流しと花火大会でした。

小名木川灯篭流し(川施餓鬼) 7月8日

徳川家康が江戸に入城したのは1590年。
小名木川(おなぎがわ)は、家康が江戸と千葉県行徳を結ぶ物資
の水路を小名木川四郎兵衛に開かせたことに由来します。
開削した運河は江東区の東西を貫き、川の長さは隅田川 から
旧中川まで4,640mで、米や塩が運ばれました。

約300年前には、小名木川と隅田川との合流地点に松尾芭蕉
(1644-1694)が居を構えた深川芭蕉庵がありました。

昭和の俳人、石田波郷(1913-1969)は昭和21年から
約12年間江東区住んでいました。

百方の焼けて年逝く小名木川     波郷
雪敷ける町より高し小名木川     〃



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この由緒ある小名木川の高橋(たかばし)では、関東大震災 と
東京大空襲の際に水に逃れて亡くなった方々を慰霊する川施餓鬼
の法要が執り行われてきました。



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深川仏教会の宗派を超えた合同法要では、東日本大震災で
亡くなった方々のご供養も行われています。



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  区民にとっても先祖供養の
  大切な行事です。

  ご主人の新盆に、お孫さん 
  と一緒に来た家族を見掛
  けました。

  仲の良い姉と弟は灯篭流し
  が始まるまで、シャボン玉
  で遊んでいました。



 
 しゃぼん玉生涯夢を見つづけて     コウコ




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読経のなか約千個の灯篭を僧侶が水面に浮かべると、高橋の下から
ゆっくりと隅田川へと流れてゆきました。




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まるで、こちらの岸から彼岸へゆくような幻想的な景色でした。


                ***


江東花火大会         8月1日

今年はお隣の葛西納涼花火大会(7/23)と隅田川花火大会(7/27)が
雨で中止になりました。
江東花火大会でも、開催合図の雷が鳴り響いたものの空模様が気になり、
大会本部には問い合わせの電話が鳴り通しだったそうです。
開催直前に小雨がぱらつきましたが、、山﨑孝明区長の開会挨拶では、
「雨は絶対降りません」と断言しました。
言霊が天に通じたかのようです。


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オープニングの花火の打ち上げは予定より早く行われ、最初の一発が
夜空に咲くと、雑念はいっぺんに吹き飛んでゆきました。

福知山花火大会では、屋台のガスボンベが爆発して火災事故
がおこり、多くの負傷者と死亡者には心が痛みました。(8/15)
あらためて江東区の花火大会(8/1)を振り返ると、大会実行委員長
の中嶋利雄会長と役員の方々、砂町連合会の大勢の方々による役割
分担のもとに、万全を期して行われたのでした。
消防署、警察署の体制も完璧でした。


花火の演出は素敵でしたが、一眼レフカメラの超初心者のために
思うように撮れませんでした。招待席からのビューポイントなのに
残念でした。


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  1  「パラダイス」

    夜空に咲き乱れた
    色艶やかな花火






 
 

2  「希望を胸に」  東京オリンピック招致の花火


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3   「ト・キ・メ・いて」 夜空の星にトキメキを


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 4  「未来へのエール」
      希望のシャワー
      クリムトの黄金色です。












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好きなところに陣取って花火を楽しむ人たち。



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屋台は河川敷から離れた住宅街に数件見掛けました。
コンビニや飲食店は急きょ軒先に出て商いをはじめ、
家族総出で手伝っていました。



                ***


江東区では東日本大震災の避難者を最も多く受け入れ、花火大会に
ご招待し、小名木川灯篭流しでは亡くなられた方々をご供養しています。
それは、江東区が関東大震災(1927年)東京大空襲(1945年)
によって壊滅し、カスリーン台風(1947年)ではゼロメートル地帯
ゆえに多数の被災者が発生したことに重なります。

はこべらや焦土の色の雀ども     石田波郷

江東区の戦災震災の復興は苦難の道のりとはいえ見事でした。
現在は「みんなでつくる伝統、未来水彩都市・江東」
をキャッチフレーズにしています。
これからも「水辺のまち」を見守ってゆきたいと思います。


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恵比寿と「東京都写真美術館」

2013.08.16.Fri
2013年8月16日

恵比寿駅
   
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  恵比寿駅西口前に、この地を象徴する
 「ゑびす像」があります。
 
 
 明治の頃、サッポロビールがこの地で
 「エビスビール」を製造し、輸送用の
 「恵比寿駅」を設立したことで、地名も
 恵比寿となったそうです。

                ***


「恵比寿ガーデンプレイス」へ

昭和の終わりの頃には都市化が進み、工場の移転がありました。
跡地は再開発され、平成6年に恵比寿ガーデンプレイスが開業しました。

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ガーデンプレイス方面には「アトレ」のエスカレーターで上がり、
「東京都写真美術館」で開催の「世界報道写真展2013」へ。


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動く歩道「恵比寿スカイウォーク」で行くので、炎天下の街を歩かずに
すみます。

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動く歩道を抜けると複合施設の恵比寿ガーデンプレイスです。
施設内にはデパート、レストラン、オフィスビル、サッポロビール本社
美術館等があります。

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右手にビヤーガーデンを眺めながら東京都写真美術館へ。


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「東京都写真美術館」

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167mのオフィスビル(地上40階、地下5階)
恵比寿ガーデンプレイスタワーの一角を占める「東京都写真美術館」
日本初の写真・映像専門の総合美術館として平成7年に開館しました。


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東側の外壁には3人の写真家の作品が一面に展示され、
ロベール・ドアノーの代表作「パリ市庁舎前のキス」がありました。
この日は「世界報道写真展2013」の最終日とあって、ポスターを
横目に次々と来館者が訪れていました。

                ***

「世界報道写真展2013」

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受賞作品の前には、人垣が出来るほどの混みようでした。
ほとんどが若い人たちで、熱心に見入る姿には感心しました。


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世界報道写真大賞 「スポットニュース」の部(単写真1位)
ポール・ハンセン (スウェーデン)


入ってまず目にするのが、パレスチナ自治区のガザで、イスラエルの
ミサエル攻撃により死亡した2人の子どもがモスクに運ばれる写真です。
彼らの一人ひとりの表情が、悲しく痛ましい状況を物語っています。
これが世界の紛争地域の現実だと知ると、その悲惨さに愕然としました。

テレビのニュースで紛争の映像は見ているものの、立ち止まって作品に
向き合うと 深く考えさせられます。
そして、危機感のようなものを意識の底で覚えたのでした。

先日(8/12 朝日新聞夕刊)は同じパレスチナ自治区で父親の葬儀に
両手を頬に当てて嘆き悲しむ少年の写真が載っていました。
父親が武装していなかったにもかかわらず、「治安上の脅威」として
イスラエル軍に殺害されたといいます。(ロイター)



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「演出肖像」の部 (組写真1位)
ステパン・ヴァンフレーテレン (ベルギー)


ギニアで甲状腺腫を患う、3人の子どもの主婦(30歳)。ギニア
は最も貧しい国で、国民の大半が無学文盲で治療費も払えません。
このような痛ましい写真に、何故か引き込まれるように見入って
しまいました。
憂いの表情の中にも、一途に光を求めているからでしょうか。



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「現代社会の問題」の部 (単写真)
ミカ・アルバート(アメリカ)


ケニア・ナイロビで廃品回収をしている女性です。ごみ捨て場で見つけ
たカタログ雑誌を手に一休みして「大切な時間」と言ったそうです。
人はどのような状況にあっても、人間の尊厳を失ってはならないと
教えられた思いです。



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「スポーツ・アクション」の部 (単写真1位)
ウェイ・ソン・チェン(マレーシア)


「雄牛レース」インドネシアの西スマトラで収穫シーズンの終わりに開
かれるそうです。騎手は雄牛に括りつけた道具に足を掛けて尻尾を
握ります。人気の競技だそうで、その迫力に圧倒されました。



出展は「スポットニュース」「演出肖像」「観察肖像」「日常生活」
「スポーツ・アクション」「現代社会の問題」「スポーツ・フィーチャー」
「一般ニュース」「自然」の9部門63作品です。
124カ国・5,666人のプロのカメラマンの応募があったそうです。

同展は東京都(6/8~8/4)を皮切りに、大阪府・梅田(8/6~8/15)を
経て、来月は京都府、さらに滋賀県・草津市、大分県・別府市の全国
5都市を11/17まで巡回します。


                ***


初めて見た世界報道写真展でしたが、なかでも戦争や社会問題が強烈
に心に残りました。平和ボケしていた我が身を引き締めると共に
これからの日本を憂慮しました。
昨日は終戦記念日でした。改憲には反対であり、平和憲法は絶対に
守るべきであります。平和な日本であるために真剣に考えるべきだ
と思いました。

戦争が廊下の奥に立ってゐた     渡辺白泉

                ***


帰りのスカイウォークで、妖精が舞い降りたかのような、美小女が目の
前に現れました。(横顔がお見せ出来ないのが残念です)
報道写真で飽和状態の頭の中を、小女のすずやかな風が通りすぎて
ゆきました。
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