「貴婦人と一角獣展」

2013.06.26.Wed
2013年6月26日

DSC_0521 (640x376)
貴婦人と一角獣展 (フランス国立クリュニー中世美術館所蔵)
会期:2013年4月24日(水)~7月15日(月・祝)
会場:国立新美術館(東京・六本木)


                ***

国立新美術館  
2007年(平成19年)2月開館
DSC_0613 (640x427)

DSC_0605 (640x384)   DSC_0598 (640x440)
延床面積(47,960㎡)は日本最大で、コレクションは持たず
「ナショナルアートセンター・トウキョウ」と称しています。
「日展」その他中小の公募展や「貴婦人と一角獣展」等の企画展をする
ギャラリーです。
地上32.5m (地下1F、地上4Fの5層)  設計者:黒川紀章

DSC_0535 (640x416)
4層吹き抜けのエントランスにある「カフェ」


                ***

「貴婦人と一角獣」のタピスリー

DSC_0521 (640x376) (2)

会場に入ると、まずタピスリー(羊毛と絹糸のつづれ織)の大きさに
驚かされました。
6面一組の連作は全長22mで、丈は4m近くもあります。
中世ヨーロッパの至宝であり最高峰とされるタピスリーは、500年
を経た現在でも色鮮やかで美しく、すっかり目を奪われてしまいました。

DSC_1303 (615x640) (2)
  タピスリーに三日月の紋章が描かれていることから
  「ル・ヴィスト 家」の当主になったアントワーヌ2世が
  結婚の記念として工房に発注したと考えられています。

貴婦人の華麗なドレスにある襞やシースルーの袖、宝飾品などの
繊細な表現の織物に、観ればみるほど深い感動を覚えます。
当時これだけの工芸品を製作する工房があり、タピスリーを手掛ける
芸術家や職人の高度な技術に思いを馳せました。


                ***

西暦1,500年頃の制作とされているタピスリーは、フランスの
中世に建てた「ブサック城」の壁に掛けてあったのを、19世紀
半ばに発見されました。

城主と知り合いだったジョルジュ・サンドがこの古城を舞台に小説
「ジャンヌ」を書き、作中で「貴婦人と一角獣」のタピスリーを
称賛したことで世の中に知れ渡るようになりました。

DSC_1370 (640x474)  DSC_1361 (501x640)            
ブサック城        ジョルジュ・サンド(1804~1876)


6面のタピスリーは、1面ごとに貴婦人と一角獣の仕草が描かれています。
背景は14、15世紀に大流行した千花模様(ミル・フルール)です。
中世の都市は自然に恵まれていたようです。
ナデシコ、スミレ、スズラン等40種類の植物。サギ、ハヤブサ、
キジ等の野鳥。キツネ、コヒツジ、ヤギ等の動物が描かれています。
中でも邸宅で飼われている猿や犬が目を引きます。ウサギの数が断トツに
多いのは、多産で繁栄のイメージがあるからでしょうか。
タピスリーの連作は<触覚><味覚><嗅覚><聴覚><視覚>
<我が唯一の望み>の6面構成で、人間が世界を知るための感覚を
表現したものです。
中世ヨーロッパの人達は五感について、一番低いとされる触覚から
聖書を読むための高い視覚まで、それぞれ順位をつけていました。

               ***

<触覚> 378×358cm 1面

DSC_1303 (615x640)
貴婦人が一角獣の角に触れ、触覚を表現しています。
額の中央に1本の角が生えた一角獣は伝説の動物で、古代ローマから
どう猛で足が速く清らかな乙女には従順でした。しかし関わった乙女
が純潔ではなかったと知ると八つ裂きにして殺してしまったそうです。
中世では女性の純潔が、愛と結婚の絶対条件だったのかもしれません。

               ***

<味覚> 377×466cm 2面

DSC_1337 (640x505)
貴婦人はオウムに砂糖菓子を与え、猿は口に果物を運び、味覚を
表現しています。

DSC_1355 (412x640)
 2面には、貴婦人の背後につるバラ(淡紅色)の
 生垣があって親しみを覚えます。

 ヨーロッパには木立性のバラがありましたが、
 つるバラがアジアから渡ったのはルネサンスでした。
 流行のつるバラを植えた庭園をタピスリーで見ること
 が出来ました。


               ***

<嗅覚> 368×322cm 3面

DSC_1306 (512x640)
貴婦人はナデシコの花冠を編み、後ろの猿はバラの香を嗅ぎ、嗅覚を
表現しています。
香りの代表としてバラを描いていますが、バラはいつの世も香りの
女王だったことが窺われます。

               ***

<聴覚> 369×290cm 4面

DSC_1309 (492x640)
侍女がフイゴで空気を送り、貴婦人がオルガンを演奏して聴覚を表現
しています。

               ***

<視覚> 312×330cm 5面

DSC_1327 (640x606)
右手の鏡に一角獣を映して視覚を表現しています。

               ***

<我が唯一の望み> 377×473cm 6面

DSC_1315 (640x512)
この6面には鮮やかな青いテントがあり唯一、文字が書かれていました。
男性から女性に向けた愛の言葉である「我が唯一の望み」
それ以外は何もいらないと云う意味だそうです。

これを観た時、5面まで身に着けていたネックレスを小箱に仕舞う
仕草にハッとしました。
咄嗟に浮かんだのは観音像と如来像でした。
観音像はネックレスやブレスレットの装飾品を身に付け、出家前の
釈迦の姿を表しています。
如来像は悟りを開いた釈迦で、装飾品は一切身に付けていません。
6面には、五感を超越したスピリチュアルな貴婦人を感じました。

5面までは解釈済みだそうですが、この6面の謎は完全には解かれ
ていないそうです。
多くの芸術家のインスピレーションを刺激した「貴婦人と一角獣」の
日本公開は、これが最初で最後になるかもしれません。

タピスリーを通し、華やかな美しい中世に遊んだひと時は夢のよう
でした。 惜しみながら会場を後にして「貴婦人と一角獣」を
モチーフにした 作品に触れてみたくなりました。


               ***



地下鉄大江戸線へ向かうまでの地下通路

DSC_0751 (640x374) DSC_0661 (640x442)
DSC_0670 (640x400) DSC_0712 (640x473)
オブジェで遊ぶ子どもたち      動く歩道
待ち合わせの大人たち

スポンサーサイト

うちのヒキガエルに会いたい

2013.06.16.Sun
2013年6月16日


DSCN0080 (640x590)

冬眠をしていた虫たちが大地の暖かさを感じて、穴から出て来るという
啓蟄ですが、今年は3月5日でした。
うちのヒキガエルが4ヵ月の冬眠から覚め、穴を被っていた枯草の戸
をひらいて出て来たのは、3月1日です。
この日の天気予報は4月上旬から下旬の暖かさで、最低気温9℃、最高
気温17℃でした。日中10℃以下の日がつづいていたので、春の訪れを
体感しました。しかも春一番が吹いた日でした。

恋の季節を終えてうちに帰って来るのは、、毎年4月の下旬でしたが、
予定を1ヵ月過ぎても戻って来ませんでした。
うちのヒキガエルとは出会って9年になるので、10歳以上になります。
寿命が8年くらいだそうですので、不安な思いは拭えません。

               ***


朝晩ヒキガエルの穴を覗いていましたら、5月下旬に子ぶりのヒキガエル
が入っていました。

DSC_0419 (639x640)


数日するともう一匹増えており、なんと去年遊びに来ていた2匹でした。
面白いことに性格は以前のままで、ミミズの餌に跳び付くとそそくさと
穴に引っ込み、小さいほうはビクビクしています。
今春はプラスチックの仮設の穴を急きょ増設しました。

DSC_0458 (640x597)  DSC_0483 (640x599)



               ***



去年の夏

DSCN0148 (640x583)  10月16日半身浴 (640x607)

真夏の一時期、3匹は1つの狭い穴で仲良く暮らしていました。
暑さ凌ぎに用意した受け皿の水の中にも、交代で入りました。
平和主義のヒキガエルだけあって、争わず譲り合う姿には感心する
ばかりです。

秋になると1番ちいさい子が去って2匹になりましたが、やがてもう1匹
も去って行きました。
うちのヒキガエルのひとり暮らしが、秋の深まりと共に、元に戻って
しまったのです。

餌は夏の仙台堀川公園のミミズ、秋の荒川河川敷のバッタを提供しました。
餌に跳び付いて来たヒキガエルも、10月末には冬眠の準備にかかって
食が細くなり、やがて断食に入りました。

11月上旬には例年通り、河川敷の枯草を集めて穴を塞ぎました。
即身成仏の入定のようですが、春に会える約束があるので、
待つ楽しみもあります。

               ***



天寿を全うしたのか、いまだ漂泊中なのかは分かりませんが、
願わくはもう一度、帰って来てほしいものです。

うちのヒキガエルの泰然自若の風貌がなんとも懐かしのです。

10月14日出会い (640x480) DSCN0025 (640x585)

 

神代植物園

2013.06.09.Sun
2013年6月9日

~ 国際ばら新品種コンクール ~

日本で唯一の「国際ばら新品種コンクール」(JRC)は神代植物園で
開催され、 「公益財団法人日本ばら会」主催のコンクールです。

バラ園の一角にある花壇には、育種家(日本、欧米)が作出したバラの
新品種が栽培されていました。
 
 DSCN7250 (640x480)
この花壇で2年をかけて試作し、評価します。


             ☆☆☆



DSCN7249 (640x574) 

DSCN7441 (640x601) DSCN7291 (640x613) 
中心部が白で濃いピンクの可愛いミニチュアローズ。
白バラの一重は原種のノイバラを想わせ、素朴な可憐さが目を引きます。 



DSCN7267 (640x605) DSCN7276 (640x597)

DSCN7283 (640x593) 
黄色のバラに、緑色のハナムグリが吸い込まれて行きました。
覗いてみると、花びらの間に3匹もうずくまっていました。



DSCN7269 (640x584) DSCN7423 (640x593)

DSCN7420 (640x573) DSCN7414 (640x596)

DSCN7261 (640x582) DSCN7410 (640x639)
グラデーションの美しいバラたちです。



DSCN7264 (640x609) DSCN7426 (640x601)
紫色(藤色)系と灰紫色系の中間色のようなブルーローズ。 

2004年にサントリーが「青いバラ」を発表したのをご記憶かと思います。
バラには青の色素がなく、パンジーの青色遺伝子を組み込んで誕生させました。
バイオテクノロジーの時代だからこそ、開発に成功したのでした。
研究に14年の歳月をかけたそうですが、ブルーローズは今も世界中で
挑戦しつづけているバラです。



DSCN7417 (640x570) DSCN7431 (640x605)

DSCN7266 (640x594) 
サーモンピンクの色に惹かれました。



DSCN7294 (640x605) 
芍薬に似た珍しいバラがありました。



「国際ばら新品種コンクール」は1982年頃に始まり約30年になります。
過去の入賞花の中から数々の名花が生まれました。

審査は四季咲大輪系、四季咲房咲系、小輪房咲系、ツル性系及びシュラブ系
の4部門があります。    (シュラブ系は半ツル性で木立にもツルにも仕立てられます)

部門ごとに花色、花形、成長性、芳香、新奇性が審査され、金銀銅賞、
芳香賞が贈られます。

2013年度の入賞花はどのバラに決まるでしょうか、今から楽しみです。

                 ☆☆☆


「国際ばら新品種コンクール 2012年度入賞花」

(展示は最終のようで、咲き残っていたバラを撮りました)

DSCN7469 (640x605)
銀賞  四季咲大輪系 HT(ハイブリットティーローズ)



DSCN7464 (635x640)
銀賞   四季咲大輪系 HT
作者   大月啓仲 (日本)
作品名  あおい月



DSCN7467 (640x562)
銀賞   四季咲大輪系 HT
作者   メイアン (フランス)



DSCN7462 (605x640)
金賞   四季咲大輪系 HT
作者   ポールセン(デンマーク)
作品名  Aya