あの時のヒキガエル

2013.07.03.Wed
2013年7月3日

毎朝ヒキガエルの巣穴を覗くことから一日が始まります。
うちのヒキガエルが冬眠から覚めたのは3月1日でした。
その日から巣穴を空けて、すでに4ヵ月にもなります。

               ***

留守中の5月下旬に、去年の夏の居候が2匹訪ねて来ました。

DSC_1388 (618x640) DSC_1379 (640x628)

うちのヒキガエルは8年間ひとり暮らしでしたが、この2匹が初めて
去年遊びに来たのでした。
2匹を招き入れたのは、うちのが世代交代を考えていたからではないか
と想うようになりました。
私たちに淋しい思いをさせないようにとの、心づかいかもしれません。

日が経つにつれて帰らない公算が強まり、諦めが色濃くなりました。

               ***


DSC_1448 (640x621) 
 そんな折、なんと7月に入り
 もう1匹増えたのです。

 一回り大きい3番目は
 去年の夏、 学童が持ち込んだ
 ヒキガエルでした。

  

学童が大事そうに掌に包んで持って来たヒキガエルは
道端でぐったりしていたので拾い上げたそうです。
その場に居合わせた学童の3人は、おじさんの所のヒキガエル
かもしれないと思って届けてくれたのでした。

実際は違いましたが彼らの行いを誉め、預かることにしました。
ヒキガエルの傷口は赤く染まり、人の外傷とそっくりです。
1cm四方の傷は体が小さいだけにダメージが大きく
見るからに痛そうです。
「近くに動物病院があったら・・犬猫病院でも大丈夫かも・・・」
「傷口に抗生物質の軟膏をつけたら・・・」
などと思い巡らしたのですが、野生なので自然治癒力に任せました。

庭の隅にそっと下ろしたものの、歩けず餌も口にしません。
翌朝見に行くと、体を引き摺って10cmほど移動していました。
外傷だけでなく骨折もしているようでした。

その後うずくまっている様子を何度か見掛けたので、幸いに
命だけは助かったようです。 

               ***


一回り大きい3番目が、去年の負傷のヒキガエルであることは
後遺症の様子を観て一目瞭然でした。
あの時は餌を拒否しつづけたのに、仲間に入った途端
2匹に見習って餌に反応したのでした。

DSC_1457 (640x357)
食事の気配を感じて、3番目のヒキガエルがプラスチックの
仮設の巣穴から出て来ました。
奥に引き籠りがちの気の小さな仲間を相棒が誘い出しています。



DSC_1472 (640x343)
3匹は輪になって餌が置かれるのを今か今かと待ちます。



DSC_1481 (640x340)
いよいよ彼らの前にミミズが現れると、身を乗り出してきました。
ヒキガエルは動いているものしか口にしません。
ミミズは死んだ振りをしていますが、3匹は目を据えています。
カルタ取りの緊迫感で身構え、動いたらキャッチです。
敏速に獲得したのは、3番目の新参ものでした。
ルールがあるか否かは知りませんが、お手付きした餌を横から奪う
ことは決してありません。



DSC_1562 (640x350)
餌を獲得できなかった2匹は、貌を見合わせています。



DSC_1574 (640x342)
餌が貰えると言っても野生の習性なのか、表情は真剣そのものです。

結局この日も平等に、ミミズを2匹づつ提供しました。

               ***


DSC_1580 (635x640) 
 体が小さくて、気も小さい子が
 このところ急に大きくなりました。

 なんと餌のバケツの蓋をずらして
 入り込んでいました。
 

無論好きなようにさせていますが、この子だけがよくミミズの在りか
に気付いたものだと感心しました。
ヒキガエルにも個体差があって面白いです。

うちのヒキガエルが彼らと一緒にいたら・・・と想ってしまいます。

               ***

夫は「扶養家族が増えて大変だけど、子どもが腹を空かしているんじゃ
仕方ない」と言い、少年の顔をしてミミズ捕りに出かけて行きました。



    麦藁帽少年の汝が牛をひく     コウコ
          
スポンサーサイト

うちのヒキガエルに会いたい

2013.06.16.Sun
2013年6月16日


DSCN0080 (640x590)

冬眠をしていた虫たちが大地の暖かさを感じて、穴から出て来るという
啓蟄ですが、今年は3月5日でした。
うちのヒキガエルが4ヵ月の冬眠から覚め、穴を被っていた枯草の戸
をひらいて出て来たのは、3月1日です。
この日の天気予報は4月上旬から下旬の暖かさで、最低気温9℃、最高
気温17℃でした。日中10℃以下の日がつづいていたので、春の訪れを
体感しました。しかも春一番が吹いた日でした。

恋の季節を終えてうちに帰って来るのは、、毎年4月の下旬でしたが、
予定を1ヵ月過ぎても戻って来ませんでした。
うちのヒキガエルとは出会って9年になるので、10歳以上になります。
寿命が8年くらいだそうですので、不安な思いは拭えません。

               ***


朝晩ヒキガエルの穴を覗いていましたら、5月下旬に子ぶりのヒキガエル
が入っていました。

DSC_0419 (639x640)


数日するともう一匹増えており、なんと去年遊びに来ていた2匹でした。
面白いことに性格は以前のままで、ミミズの餌に跳び付くとそそくさと
穴に引っ込み、小さいほうはビクビクしています。
今春はプラスチックの仮設の穴を急きょ増設しました。

DSC_0458 (640x597)  DSC_0483 (640x599)



               ***



去年の夏

DSCN0148 (640x583)  10月16日半身浴 (640x607)

真夏の一時期、3匹は1つの狭い穴で仲良く暮らしていました。
暑さ凌ぎに用意した受け皿の水の中にも、交代で入りました。
平和主義のヒキガエルだけあって、争わず譲り合う姿には感心する
ばかりです。

秋になると1番ちいさい子が去って2匹になりましたが、やがてもう1匹
も去って行きました。
うちのヒキガエルのひとり暮らしが、秋の深まりと共に、元に戻って
しまったのです。

餌は夏の仙台堀川公園のミミズ、秋の荒川河川敷のバッタを提供しました。
餌に跳び付いて来たヒキガエルも、10月末には冬眠の準備にかかって
食が細くなり、やがて断食に入りました。

11月上旬には例年通り、河川敷の枯草を集めて穴を塞ぎました。
即身成仏の入定のようですが、春に会える約束があるので、
待つ楽しみもあります。

               ***



天寿を全うしたのか、いまだ漂泊中なのかは分かりませんが、
願わくはもう一度、帰って来てほしいものです。

うちのヒキガエルの泰然自若の風貌がなんとも懐かしのです。

10月14日出会い (640x480) DSCN0025 (640x585)

 

ふと現れた記憶

2012.11.04.Sun
2012年11月4日

冷ややかに我を見つめる我があり   コウコ

 小学校の学力テストで<オタマジャクシの手と足は
 どちらが先?>の問題で、とっさに浮かんだのは
 <やがて手が出る、足が出る>のフレーズでした。
 自動的に<手>と答えたのですが、正解は<足>と知って
 当時はかなりショツクだったようです。

 高校入試の模擬テストでは「カエルの解剖図」が出題されて愕然!
 カエルの解剖なんて気味が悪くて、
 なんとその日はずる休みしていたのです。
 実際の入試でなくて本当によかった!と
 胸をなで下ろしたのでした。

 これらの記憶はヒキガエルと出会ってから蘇ったもので、
 実はこの性癖、今もって手ごわいのです。

 うちのヒキガエルと目が合った時
 「カエルのことを忘れないで」と言われたのでした。





水が恋しいヒキガエル

2012.10.16.Tue
2012年10月16日

水澄めりやさしい言葉かけられて    コウコ


 この夏のかつてない猛暑に、ヒキガエルもさぞかし水が恋しい
 だろうと思い、鉢の受け皿に水を張って巣穴の前に置きました。
 
 10月に入っても、このように1時間以上も半身浴をしています。
 受け皿が汚れると、そのたびに新しい水に入れ替えます。
 これは、のぶさんの案ですが予想通りでした。

 10月16日半身浴

10月16日 2
  
 仲間のヒキガエルが入ろうとすると、すんなり譲って出て来ました。
 なんて優しいのでしょう!

 あとで解ったことですが、カエルは水を口から飲むのではなく、
 お腹の皮膚から吸収するのだそうです。
 受け皿の汚れは真っ黒なフンなので、
 生理的にも良いことなのかもしれません。

 いっとき、うちの大型と中型と小型の3匹が同居したことが
 ありましたが、最近は中型と一緒にいます。
 
 100メートル以上離れた道路際で、
 ひさびさに小型のヒキガエルを見かけました。
 通りがかりの家族が立ち止まって
 「こんな所にカエルがいるよ!」とびっくりしていました。
 
 日暮れが早いので、ヒキガエルの後ろから靴を鳴らして
 道路際から離れるように促しました。

ある日突然!

2012.10.15.Mon
2012年10月15日

金木犀輝きを増す記憶あり     コウコ


 なんと、3匹のヒキガエルが巣穴から貌を出しました!
 初対面の2匹(中型と小型)の訪問には、こちらもびっくり!
 3匹の関係は?
 しかし滞在中は、穏やかで争うこともありませんでした。

 3匹は狭いスペースに縦横となり、折り重なって収まって
 いました。彼らは窮屈だとか邪魔だとか・・・
 そんな態度は一切見せませんでした。

10月15日3匹のヒキガエル

10月15日 (2)
    夜の子ガエル

 その後、この2匹を別々に見かけるようになりました。
 中型は人を警戒して、のそのそと逃げ、
 小型(子ガエル)は一目散にぴょんぴょん逃げて行きます。
 それに比べてうちの大型は視線を合わせてきますし、
 何があっても悠然としているのです。
 
 友人に巣穴をお見せすると、
 ヒキガエルが挨拶に出てきて、穴の前に鎮座しました。
 友人は「精悍な貌をしているわね~」
 「まるで置物みたい!」と感嘆の声。
 
 なぜかその時に限って精神が宿ったかのように
 凛々しかったのです。